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3月21日:トロントの思い出(2)

初の国際便・13時間のフライトを乗り越え、2007年3月14日、トロントピアソン空港に降り立ちました。

私は「蓋を開ければなんとかなる」派の人間です。
説明書は読まない、説明されてもたいして聞いていない(ゴメン)、手を動かし始めれば間違いながらでも少しずつやり方がわかっていくだろう。
よく言えば楽観的、その実大変な無鉄砲で、トロントへ行く!と決めた時も、事前に準備したのは到着日からしばらく泊まる宿の予約だけでした。
宿があるダウンタウン(繁華街)の地図はもちろん、ピアソン空港とダウンタウンはどういった位置関係で、どのくらいの距離で、どうやって移動するのか。前もって確認する発想はかけらも持ち合わせていなかった私。
現地につけばすべて何とかなる!

バスや電車が通ってるようなサインは出ているけど、見知らぬ土地しかも日本でない国で、いきなり公共交通機関を使う勇気はさすがにありません。乗り方もわからないし。。
タクシーしかないか。「TAXI」の表示を頼りに乗り場に向かいました。

自動ドアをくぐって外に出ると、タクシー乗り場にずらっと並ぶオレンジ色のセダン。
おお…日本のタクシーと車の形が違う。
運転席に座る運転手さん、ちゃんとは覚えていないけどアジア人でなかったのは確かで、これは英語だな!当然に!いよいよ現地でのコミュニケーションが始まる…!とドキドキしながら「ダウンタウンに行きたいんだけど」と声をかけました。

どのくらい距離があるかわからなくて、いくらくらいかかる?と聞くと、50ドルでいいよと言ってくれた運転手さん。
…と打ちながら、そういえば相場っていくらくらいだったんだろう?と今調べたら、「50〜60ドルくらい」と出てきました。

お、Honestすぎない!?
明らかに若くて、明らかに下手くそな英語で、明らかに「初めてトロントきました〜」みたいな顔してて(実際そう伝えたし)、相場も距離も全然わかってないアジア人の小娘ですよ。いくらでもぼったくれただろうに…!!
17年の時を超えて感動してます、今。
しかも何もわかってなさすぎて下車時にチップ渡さなかった気がする…。。。
どうか渡していますように。あの時の私…。

日本から来てね〜音楽やりたくてね〜みたいな話をしながら走ることどれくらいが経ったのか。高速らしい道から気付けば景色は街へと変わっていました。

「君が言うホテル、よくわかんないけどたぶんこのへんだと思う」
と下されたのは予約した覚えのないこぎれいなホテルの前。
私がとった宿はホテルではなく「ホステル」で、複数人での共同部屋だったり、シャワー・トイレは階ごとでの共用だったりするバックパッカー向けの安宿だったので、確実にここではないわけです。
でもまあ近いみたいだし…あとは何とかなるだろ!と運転手さんにありがとうをして、そのこぎれいホテルの車寄せ、エントランス前に立っていたベルボーイ風の人へ話しかけに行きました。

「Canadiana Backpacker's Innってホステルを探してるんですが、ここじゃないですよね?どこにあるかわかりますか?」
いやー今考えるとすごい行動力だな。怖いものなし。聞けば教えてくれるもん!って感じですね。相手は仕事中だっつーの。
ベルボーイ氏もやっぱり優しい人で、そのホステルはすぐ隣のブロックだよと教えてくれました。

雪が残る道、でかいスーツケースを両手に転がしながらついに到着した始まりの場所。
ドキドキワクワク、冒険への扉をさあ開こう…!

…なんて、カンタンなものではなかったのです。やっぱり。


かえで
(3)へ続く。


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